動物瞳AF(オートフォーカス)が有れば犬を撮るのがカンタンに!?
犬の撮影で一番苦労するのってやっぱり犬の瞳へのピント合わせですよね?・・ね!?

せっかく素晴らしい感じに撮れた!と、思っていても、家に帰ってよくよくみるとピントが目に来ていないので泣く泣くボツにした写真の数々・・

少なくとも私はめちゃくちゃ苦労してきました。
まあ、かーちゃんは気にせずインスタに投稿しちゃってましたが・・。
そんな、愛犬の瞳へのピント合わせをカメラ任せに出来るのが『動物瞳AF(オートフォーカス)』
この動物瞳AFが有ったらじっとしてくれない犬を撮る難易度はどのくらい下がるのか?
ピント合わせがシビアと感じているレンズで実際に検証してみましたので是非ごらんください!
α7RIIIに追加された動物瞳AFの効果を検証!
日中の室内でチェックした結果
まずはα7RⅢから。天気の良い日の昼間、室内にてピントの薄いSEL50F14Zの解放(F1.4)でチェックした結果を動画でご紹介します。
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この時に撮影した写真ピックアップ

ISO800 50mm f1.4 1/250sec

ISO640 50mm f1.4 1/250sec
なお、結果を動画を見れない方に向けて要約すると
- プリンスみたいな目の周りに模様がない子(目がわかりやすい子)なら効果抜群!
- プリンスみたいな目元ならほとんど横向きでも、動いていても作動する
- カレンみたいな目の周りに黒っぽい模様がある子はピントが外れやすい。
- 犬の顔がだいたい画面の1/3~1/6位は占めていないと作動しない
- 左右の目は選べない(選ばれる基準は距離が近い方?)
- 選べないので数匹が並んでいる時はどの子の目に行くか分からない
と、正直、愛犬の模様や色味によって精度が変わってくる印象です。(室内の場合、野外なら問題ないレベルに精度UPします)
別のレンズだとどんな感じなのか?試してみました。適当な編集ですが、ピント合わせがシビアと思えるSEL70200GMの200mm付近を解放(F2.8)で試した動画もご確認ください。
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この時に撮影した写真ピックアップ

ISO1000 200mm f2.8 1/250sec

ISO1250 200mm f2.8 1/250sec
ピントの薄さを意識していたのでほとんど望遠側の200mm付近で試していますが、アップになる分、SEL50F14Zの時より精度が高いと感じました。
やはり、顔の占める割合が重要と言えるでしょう。(※室内など光がシビアなシーンの場合、日中野外なら遠目でも認識します)
日中の野外でチェックした結果
こちらは動画が用意出来なかったので文章で失礼します。
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ISO100 200mm f2.8 1/400sec
野外でもプリンスへの効果は抜群!

ISO100 200mm f2.8 1/1250sec
カレンに対しての精度も室内より大幅にヒット率が上がった印象です。(まつ毛に行く時もゼロではありませんが)

ISO125 200mm f2.8 1/250sec
動物瞳AFは左右を選べませんが、2匹並んだ場合の判定基準は最初に捕らえた瞳となるのでしょうか?この時はカレンの方が少しカメラの近くですが、一番遠いプリンスの左目に食いついてますね。
目の周りが黒っぽい子の場合

ISO320 134mm f2.8 1/250sec
出会ったトライカラーのパピヨンの女の子、モモちゃんに試させてもらったところ、おおむねカレンと同じくらいのヒット率と感じました。

ISO160 70mm f2.8 1/250sec
横顔もバッチリ!なので、無理なんじゃないか?と思っていた「目の周りが黒い子」も野外で使う分にはおおむね良好!ピントが合わなくてイライラすることは無いんじゃないかな。と感じます。

ISO250 161mm f2.8 1/250sec
ありがとうモモちゃん。

ISO100 24mm f1.8 1/750sec
かーちゃんが友達のミニチュア・ピンシャーのディノ君と遊びに行った時に試させて貰いました。結果、バッチリ作動したそうです。

ISO160 24mm f2.8 1/250sec
こっちを向いて無くても・・

ISO200 24mm f2.8 1/250sec
目をつぶっていても、少し遠くても動作良好♪ 広角寄りのレンズで試してなかったので意外ですが、顔の占める大きさはかなり小さくても良いのかも?

ISO160 24mm f3.5 1/250sec
3匹並んだ状態でもディノ君にピントが合っています。とにかく、野外なら黒っぽい子も全然OK!ディノ君ありがとう。
なお、広角寄りのレンズの場合は顔の割合はそれほどシビアじゃなさそうですね。
走るシーンで作動することも!?
2019/04/26追記:SEL135F18GMの検証をα7RIIIでしてみたところ、画面の1/3は言い過ぎ、実際には1/6位占めていればOKと感じました。

なお、ソニーの公式では動きの激しいシーンは不可となっていますが、走っているなど早い動きのシーンで食いつく場面も多々!

このピントの薄いレンズで動きシーンもカンタンに狙えるのはズルイですね・・。
猫は犬以上!?

ISO640 50mm f2.8 1/250sec
義弟夫婦が猫を連れて遊びに来たので動物瞳AFを試させて貰いました。

ISO1250 50mm f2.8 1/250sec
体感ですが、目が特徴的だからか?猫への食いつきは犬以上!

ISO320 50mm f1.4 1/250sec
解放付近でざっと50枚ほど撮らせてもらいましたが、失敗0という驚異的な結果に!!

ISO160 50mm f1.4 1/250sec
走り回っていたわけではないので一概には言えませんが、猫は犬以上に食いつくのは間違いなさそうです。
α9に追加された動物瞳AFを検証
α7RⅢから遅れること半年・・ついに、ついにα9にも動物瞳AFが搭載されました!!

ISO100 24mm f1.4 1/2000sec
搭載された9/24と9/25の2日間、ガッツリ使ってみた感想はただ一言・・「待った甲斐が有った!!」です!
普通の撮り方では?
ポートレート風のタッチで撮る時はα7RⅢでバッチリだったので、全く心配してませんでしたが、一応テストしてみました。
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ISO125 135mm f1.8 1/1000sec
一匹の撮影はα7RⅢと同じ設定(ワイド)で全然OKですが、このように2匹並んでいる時はどちらにピントを合わせるかは選べません。

ISO160 135mm f1.8 1/1000sec
なので、対象を変えたい時はカメラを明後日の方向に向けてロックを外してから、対象の犬の瞳を捉えるようにカメラを向けて調整する必要があります。狙いたい犬の目を最初に捉えてから構図を決める感じですね。

ISO100 135mm f1.8 1/640sec
ですが、α9はリアルタイムトラッキングと動物瞳AFの併用が可能ですので、フォーカスエリアを「トラッキングフレキシブルスポットのLorM」にして、合わせたい犬の顔をロックしておけばOK!

ISO100 135mm f1.8 1/640sec
犬の顔を捉えるのはだいたいでも十分です。瞳が見えない時は顔を捉え、瞳が見えるとピントが瞳に飛んでいく感じ。これなら思い通りに対象を切り替えられますのでストレス皆無です♪
なお、正直にお伝えすると、まつ毛辺りに食いついて離れないことがちょくちょくあります。
そんな時は一旦、モニターをタップしてフォーカスのロックを外してから、フォーカススタンダードボタンを押せばOK。
以上、普通に撮る分でのα9のメリットですね。
「リアルタイムトラッキング」+「動物瞳AF」の併用はとても優れてますが、α7RⅢと比べて動物瞳AF自体の精度の差はほとんど感じられません。
なので、α9向きの動きの激しいシーンを超テキトーな撮り方「ながら撮り」で検証してみました。
α9の動物瞳AFは激しい動きでどの程度作動するか?
「ながら撮り」とは犬の相手やお世話をしながら撮影する方法。本来は撮影を手伝ってくれる相方が居ないと厳しいシーンを何とか一人で撮れないか?考えてみたオタク的発想です。
中望遠域でカメラ任せのながら撮りを検証
先ずは中望遠域での犬撮影の定番「ボール遊びシーン」の撮影から。
ボール遊びや走ってる姿を普通に撮る(別の人が投げたボールを追いかけている犬を予め構えた状態で撮る)のはα7RⅢでも十分撮れます。

なので、AF性能がモノを言う?自分一人でボールを投げて拾いに行った犬を撮る無茶苦茶テキトーな撮り方で検証しました。

ISO200 135mm f1.8 1/2000sec
カメラワークが恥ずかしい限りですが、この撮り方だと犬がお尻を向けた状態から撮り始める場合が多いため、ロックしてしまうとお尻を追い続けてしまい上手く行きませんでした。

ISO200 135mm f1.8 1/2000sec
ろくに見ずに撮る場合、リアルタイムトラッキングを切った通常の「ワイド」がヒット率が上がる印象です。

ISO500 135mm f1.8 1/2000sec
そんな撮り方なので「動物瞳AFが作動している」とは言い切れませんが、犬の顔が見えている時は瞳に合っている率が以前よりも格段にアップしたのは間違いありません!

ISO200 135mm f1.8 1/2000sec
流石にこの大きさなら動物瞳AFが作動しているはず!?ピンボケ率と外し率は以前と同じくらい(100枚撮ったらだいたい60枚はピンボケか犬を捉えられていない失敗写真)ですが、ピントが来ているなら、瞳のヒット率が格段にアップした印象です!

ISO320 135mm f1.8 1/2000sec
カレンを捉えている状態だと、手前にプリンスが入り込んでもロック対象は移りません。
以上、ボール拾いのシーンはファインダーはもちろん、モニターもチラ見レベルなので、どの程度作動しているか?正確ではありませんが、体感的にかなり作動している印象です!
広角域で完全にカメラ任せのながら撮りを検証
引き続き、広角での「ながら撮り」を検証します。
用意したのは広角よりのSEL24F14GM。手持ちで一番広角レンズですが、以前使っていた広角ズームレンズ「SEL1635GM」と比べてF1.4のピントの薄さも相まって、AFの速度に不安があります。

そんな、我が家では不人気なSEL24F14GMを装着したα9に一脚を付け、逆さまに吊して撮影します。AFの作動とシャッターはワイヤレスコマンダー「RMT-P1BT」で操作します。
かなりカッコ悪いですが、歩きながら・走りながら・遊びながらのシーンを楽に撮れるのでは?と考えた末の撮り方です。
歩きながら撮影

ISO100 24mm f1.4 1/320sec
歩きながらの撮影は動物瞳AFの効果を試すのに最適!

ISO100 24mm f1.4 1/400sec
SEL24F14GMは動き物に向かないんじゃないか?・・そう思えるほど、開放でのピント合わせが難しいと感じていました。

ISO100 24mm f1.4 1/400sec
でも、そんな扱い辛い印象を覆すほどのヒット率!

ISO100 24mm f1.4 1/400sec
プリンスにロックされており、ロック中は別の犬に移動したりはしません。
構図度外視ですし「使える・使えない」は置いておいて・・ヒット率4割ほどは衝撃です!!
走りながら撮影

ISO320 24mm f1.4 1/250sec
SEL24F14GMの場合、走りながらの撮影は動物瞳AFが使えなかった頃はf5.6くらいまで絞らないと撮れなかった印象ですが・・

ISO400 24mm f1.4 1/250sec
f1.4でも2割ほどのヒット率!夕方で薄暗くなってきてたのと、シャッタースピードを上げ忘れて流し撮り気味になってるのでブレてますが、撮れてる事自体凄い結果と感じます!

ISO500 24mm f1.4 1/1000sec
シャッタースピードを上げて再挑戦、ヒット率が三割五分ほどにアップした印象です。

ISO320 24mm f1.4 1/1000sec
フォーカスモードは「ワイド」ですが、足にピントが行っていないのは動物瞳AFのおかげでしょうか?

ISO320 24mm f1.4 1/1000sec
状況的にノイジーですが、もう少し条件が良ければもっとヒットしそうな感触でした!
遊びながら撮影
最後にボール遊び中のジャンプシーンの撮影で検証します。

ISO100 24mm f1.4 1/3200sec
ボールやフリスビーをキャッチするシーンを望遠で狙うのが普通ですが、自分で近くにほり上げることで広角レンズでも狙うことができます。
ただ・・

カレンがキャッチヘタ過ぎるのと私のノーコンっぷりが相まって、単に飛び跳ねてるだけのシーンを量産してしまいます・・。

とと、話が逸れてすみません、動物瞳AFによるジャンプシーンの撮影のヒット率は1割ほど。

ISO100 24mm f1.4 1/8000sec
明るすぎず、暗すぎずで逆光より順光気味など条件が整わないとなかなかヒットし辛い印象です。。

ISO100 24mm f1.4 1/6400sec
ですが、以前はこのSEL24F14GMの開放でジャンプシーンを撮るのはまず不可能。と感じていただけに撮れていること自体にビックリです!
SEL1635GMやSEL2470GMなどAFがもっと早いレンズならかなりの確立でヒットしそうな感触です!

ISO100 24mm f1.4 1/4000sec
とにかく、SEL24F14GMはSEL1635GMと比べてAF的にも焦点距離的にもアクションシーンでは使いづらいレンズと感じています。
でも、動物瞳AF無しのSEL1635GMで同じような撮り方をしていた頃よりも明らかに成功率が高い事は間違いありません!
その事から「動物瞳AFの効果は凄い!」と結論付けても良よいと実感した結果でした!
以上、α9はプロ用の位置付けですが、ド素人がテキトーに撮ってもヒットを量産してくれる「初心者こそ使うべきカメラ」として完成度が高まった印象です。
これでカメラは万端になったので、後はうちの子のキャッチの技を磨くべきでしょうね。
ちなみに一脚で逆さ吊りしてワイヤレスコマンダーを使う撮り方は動物瞳AFさえ使えれば撮影は可能で、実際にα7RⅢでも撮れてます。1回限りのシーンならともかく、AFと連写の差はチャレンジ数でカバーすればα9でなくても使えます!
ソニーαシリーズに搭載された動物瞳AF検証まとめ

ポートレート風に撮る時はもちろん、アクションシーンでも効果絶大!有るのと無いのとでは天地の差!!
鼻歌交じりでテキトーに撮っても大丈夫なほど無茶苦茶楽!!
これまでの撮り方は完全に過去のものと感じるほど、犬の撮影の革命的な機能と感じます!
正直、動物瞳AFに慣れてしまったら、機能が付いてないカメラで撮れなくなるなりそうなくらい便利なズボラ機能ですね。
ちなみに動物瞳AFが食らい付く精度は明るさが重要で、野外と屋内では食いつきの差を感じます。なお、愛犬の色味や模様での差も多少は感じるものの日中野外なら気になるほどではないと感じました。
とにかく、ピント面の薄いレンズで解放撮りする際の難易度が大幅に下がるのは無茶苦茶ありがたいと感じます!!
この動物瞳AFのおかげでα6400、α7RIII、α7III、α9などの搭載機での犬の撮影は(インチキレベルで)大幅に楽になったのは間違いありません!
MFが基本の人は不要かもですが、
- 愛犬を撮るためのカメラを買いたい人
- ピント合わせに苦戦中の人
は動物瞳AF搭載のカメラを検討してみてはいかがでしょう。有るのと無いのじゃ全然違うレベルの便利機能ですよ!!
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